ブルーカラー投資家の成長記録

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『生涯投資家』(村上世彰)を読んでみた

こんにちは

今回は、『生涯投資家』を読んだ内容と感じたことを簡潔に書いていきます。

 

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作者の『村上世彰』は『モノ言う投資家』として世間を賑わせた人です。

ホリエモンライブドアと日本放送の関係でもインサイダーで問題になったりしました。ホリエモンと個人的な交友関係もあるそうです。

 

村上世彰』の経歴

村上さんの経歴をザックリと。

 

・ 父が投資家、

・ 学生時代から投資を始め、官僚を16年経験

・ 村上ファンドを立ち上げる

・ 目指しているのは、コーポレートガバナンスの向上

 

 

コーポレートガバナンスとは

一言でいうと、企業統治です。

株式会社というのは、株主の所有するもので、経営者のものではありません。

 

しかし、日本は経営者が企業を私物化してしまうことが多くあり、問題視されてきました。

私物化すると、

 

・自分達の将来の給料の確保のために内部留保を高める。

・理想のために赤字事業に注力してしまう。

 

などの問題が発生してしまいます。

 

こうなると、良いお金の流れは生まれません。

企業にお金が蓄積されるか、投資資本が回収されないままになってしまいます。そうなれば、投資家にお金が還元されることはありません。

 

リスクをとって資金を提供している投資家に対する侮辱ともとれますね。

はじめにも書きましたが、企業の所有者は株主です。なので、リスクをとって資金提供をする投資家を大切にすべきであって、利益還元する仕組みがなければなりません。

 

投資家が利益を得ると、良いお金の流れも生まれます。

投資家が利益を得て、次の投資に使われるとお金の流れが発生し、資金の足りない分野に再分配され、経済はより発展していきます。

 

よって、日本が発展していく上でもコーポレートガバナンスの向上が大切なのです。

 

 本の内容

1章から6章

コーポレートガバナンスの向上を目指して取り組んできた投資について振り返っています。

当時の村上さんの感じていたことや、関わってきた人が誰なのか、また舞台裏のやり取りなどが分かります。

世間で騒がれていた当時はまだ小学生くらいだったので、ほとんど知らない話だったので、新鮮に読むことができました。当時を知っている人も、こんな背景があったのかと新しい発見があると思います。

 

7章、8章

コーポレートガバナンスの変遷と米国との比較。陥っている悪循環と解決方法について書かれています。

 

企業統治のあり方は、財閥解体してから、国→金融機関→投資家の順に移り変わってきています。

 

国の統治はイメージが付きやすいので省いて金融機関についてです。

金融機関が企業にお金を貸して、強い立場から、企業に経営戦略などのアドバイスをしていく統治のやり方です。(ちなみに、デットガバナンスというそうです)

そして現在は、投資家に企業統治のバトンが渡される時期になっているのです。だからこそ、物言う投資家が大切になります。

 

そして海外ですが、やはり海外も日本と同じように企業の私物化の問題はあったそうですが、10年以上も前に抜け出しているようです。日本はだいぶ遅れていますね。

さらに、自己資本比率を下げるなどして、投資家の出資した資本に対する利益の割合を高めるような体制になっています。

こうすることによってお金の良い流れが生まれるので、日本がバブルから株価が低迷している中、米国は株価の高値を更新していく仕組みができているのです。

 

日本がコーポレートガバナンスを向上させるのは、国の働きも必要なのでは?と問いかけています。郵政民営化した郵便局でコーポレートがバナンスのモデルを示すことが必要なのではないかと訴えています。

既に取られている政策でも、ROE8%以上にするようにという目標があるようです。

 

9章

NPOの活動などに触れています。

利益を生み出しては行けないと思われがちなNPOですが、結局は活動していく上で資金は必要になるので、稼がなければならないそうです。私は『稼いでいいんだ!!』と驚きました(笑)

そして、ここでもガバンスが重要だそうです。NPOでは、ドナーガバナンスといいます。

 

NPOも社会を変えるために動いている組織で、社会に必要だと訴えていました。

 

 

まとめ

生涯投資家は読み物として面白く、スラスラと読めてしまいました。時間がなくて『全部読むのは、、、』という人は、1~6章のうちの1章と7,8,9章を読むのもいいかなと思いました。

 

また、日銀が株を大量購入してどうするんだと騒がれていますが、コーポレートガバナンスの在り方を国主導で見直しのできる良いチャンスなのではないかと、村上さんも触れていますし、非常に共感しました。

 

この本の利益ですが、投資の教育に役立てると村上さんは本書で書いていました。これもおそらく、コーポレートがナンス向上のためのものなのでしょう。貢献したい方はこちらでどうぞ

 

 

生涯投資家 (文春文庫)

生涯投資家 (文春文庫)

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。また来週末もよろしくお願いします。